いかなごの季節
瀬戸内に春を告げる「いかなご」の季節が来た。 いかなごは「こうなご」とも言うらしい。近海で獲れる小魚で、その至極小さな新子を佃煮にするのが神戸の春の味覚だ。甘辛く炊き上げたそれは新子が飴色になり釘のように折れ曲がった形になることから「釘煮」という。...
かるかん饅頭
先日、鹿児島に旅行に行ったという人からお土産にとかるかん饅頭を貰った。 なにを隠そう私の母は鹿児島出身である。 私にとって鹿児島とは「田舎」にあたる。この言葉の使い方は田舎という言葉の意味からすると適切ではないのだろうけれど、ニュアンスは解って貰えるだろうか。田舎というのを...
ことのは
どういうわけだか昔から歌の歌詞を聞き流すことができない。歌が音楽と切り離されて「言葉」として頭に入ってくるのだ。だから音楽を聞きながら何かをすることはできないし、人と話している時も会話の他に耳から入ってくる言葉につい翻弄され、支離滅裂な言葉を発しそうになることがある。集中力...
カニ食べいこう。はりきって行こう。
仕事場で新聞を読むが、近頃ニュースはもっぱらインターネット専門で紙媒体は流し読みの傾向にあるので、主目的は新聞ではなく本当は折り込み広告の方にある。 寒くなってからというものスーパーのチラシ、旅行代理店のチラシの紙面を飾るのは「カニ」で、まさに冬の味覚。冬のご馳走だ。...
十日戎の思い出
気がつけば七草もとうに過ぎ、小正月で小豆粥を祝い、1月も半分が過ぎた。日々は相変わらず飛ぶように過ぎて行く。 先日、十日は「十日戎」だったわけだが、戎信仰はそんなに古い歴史ではないだろうと思われる。これは商人の多い大阪発祥ではないか。...
クリスマスのあれこれ
2015.12.25 クリスマスが来た。この国ではどういうわけだか知らないが一番盛り上がるのは今日ではなく前日、即ち「イブ」という日だが、ともあれ今日がクリスマス本番である。 私のうちはフランス料理店で、クリスマスにかかる前後数日というのはそれはもう大忙しで、私は中学生の頃...